
「ファンタジーなのに、時々醒めてしまう」
先月無理やり仕上げた作品に、友人がくれた感想でした。
とにかく、文体をどうにか直せ! というご注文。
しかし、ずっと現代ものを書いてきたせいか、ファンタジーっぽい文章の感覚がどうにもわからず。児童文学および英国ファンタジーが大好きな友人にいくつか本を借りてきました。
ダークホルムの闇の君はその中の一冊でございます。
資本家チェズニー氏によって、観光地化されてしまった魔法世界。
チェズニー氏の横暴と、巡礼観光団によって、この世界の町や畑は荒れ果て、人々は慢性的な疲労を訴えていました。
ついに別の世界からやってくる彼らを追い出すべくお告げを立てたところ、なんと動物の組み換えばかりやっている変人魔術師ダークを、今年の闇の君にすることになってしまったからさあ大変。なにせこの人、得意分野はすごいけど……という人なのだから。
おまけにチェズニー氏は最高級の悪を演出するよう細々指定するわ、近所の村が豊か過ぎるからぶち壊しとけと命じるわ、神を出さなければ無報酬だと言うわ。報酬もらってもぎりぎり赤字なんだっての!
とにかく何とかしようとあれこれするのですが、巡礼観光団がやってくる数日前、ダークが勘違いで龍に襲われ、瀕死になってしまうのです。
悪側の指揮系統は全部彼だというのに! どうするのよパパさん!
あ、彼1女1男5グリフィンの子持ちなんです。
くるくる回る視点、息も切らせぬ展開、さらに同時進行で加わってくるいくつもの伏線という川が絡まりあって、結末までごうごうと押し寄せてきます。
これは電車の中でとか、平日の夜にとかは無理ですね。私なら続きが気になっちゃって眠れないですもの。
後1ページの誘惑に勝てる人がいたら見てみたいわ。本当に。
あと、さりげなく差し込まれた、彼らにとっての別世界の食材(トマトとかコーヒー)が素敵。特にコーヒーはよく役立っています。
そういえば、ファンタジー世界って肉は良く出るんですけど、不思議と魚が出ないんですよね。貝とか蛸とか烏賊とかまず見ない。海や川が近くないと採れないせいでしょうか。
ハリポタのような、べったべたな魔法世界が好きな人や、ファンタジーに対する辛口のユーモアを好む人にお勧めです。
特にスレイヤーズ!とか好きだった大人は必見でしょう。
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